姫沙羅 (6月)
当店の名前の由来にもなっている姫沙羅(ヒメシャラ)と栗色のベニスオウの葉を生けました。姫沙羅は気品のある白い花びらにほのかな薄紅色が差す清楚な色香が漂う花です。
紫陽花・シャクナゲ(6月)
梅雨の季節に鮮やかに映える紫陽花。紫陽花の紫色に赤いベコニアの葉の差し色と深い緑色のシャクナゲの葉を添えました。
ヤマゴボウ(7月)
高さ30センチの大壺に大胆にヤマゴボウを生けました。明るい若草色の葉、赤い茎、濃紫の熟した実のコントラストが、面白い風情を漂わせています。
ナツハゼ・ノイバラ(7月)
花器の面白い模様を生かすために、あえて花材を少なめにしました。ナツハゼの葉は今の時期からだんだんと色づき、緑と赤のコントラストが美しく映えます。
深山南天・クチナシ(7月)
深山南天(ミヤマナンテン)を主に、枇杷の葉を根締めにして、クチナシの花を入れました。奥行きには、明るい茶色のヒューケラの葉を入れてアクセントにしました。
蓮・トルコ桔梗(8月)
蓮の花が終わると蜂の巣状の果托(かたく)が現れます。蓮の果托を主に、可憐なトルコ桔梗の花とレックスベコニアの赤い葉を入れてアクセントにしました。
キイチゴの葉・紅葉(9月)
鮮やかに色づいたキイチゴの葉に雀茶色の紅葉が一層、秋の気配を引き立てています。花の類を入れなくても、葉だけで紅葉月(もみじつき)の到来を表現することができます。
烏瓜・アオツヅラフジ(10月)
烏瓜(カラスウリ)が赤く色づき、藍黒色のアオツヅラフジの実の色との対比が面白いと思います。右側に流したお茶の木の足元にはレッドロビンの新芽をあしらいました。
小紫・小葉の髄菜(11月)
小紫(コムラサキ)を主にして、小葉の髄菜(コバノズイナ)の枝を右に流しました。根締めにヤツデと赤いレッドロビンの若葉を入れ、アクセントにしました。
ドウダンツツジ(11月)
ドウダンツツジは紅葉の時期には同じ木でも枝ごとに、多彩な色が美しく色づきます。ドウダンツツジ単独でも、変化に富んだ作品を楽しむことができます。
ホトトギス(12月)
ホトトギスという名前は、花びらの紫色の斑点が鳥のホトトギスの胸の斑紋と似ていることから名付けられたそうです。
エビヅル・鵯上戸(12月)
葡萄科の落葉つる植物のエビヅルを主にし、赤い鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)の実を生けました。鵯上戸は、ヒヨドリがこの実を好んで食べることから付けられたそうです。
白梅・藪椿(1月)
椿はたくさんの種類がありますが、特に茶席の花としては特に藪椿の、その素朴でひなびた風情が、侘び寂びを好んだ茶人をはじめ、風流を愛する多くの人を魅了しています。
桃の花(3月)
桃の字の「兆」は”妊娠の兆し”を意味しており、桃の節句など、女性と深い関わりがあるのはこれに由来すると言われています。
紫木蓮(4月)
紫木蓮(シモクレン)は別名マグノリアと呼ばれ、モクレン科モクレン属の落葉小高木です。 地球上最古の花木のひとつであると言われています。
ヤマブキ(4月)
ヤマブキの名前の由来は、枝が弱々しく風のまにまに吹かれて揺れる様子から「山振(やまぶり)」と呼ばれ、それが転訛したとされます。
シャガ・コデマリ(5月)
シャガの花にコデマリを添え、一葉のミズキを根締めにしました。シャガはまるで樹下に舞う蝶な可憐さを持ち、昔人はシャガの別名を胡蝶花と称しました。
オンツツジ(5月)
オンツツジは紅緋色の花が終わった後も、三枚輪生した葉が青々と涼やかに茂り、花と葉の時期を二度楽しめます。
ヒメミズキ・ドクダミ(6月)
ヒメミズキはミズキの種類の中でも、全体に小振りで可愛らしい品種です。ドクダミは独特の臭いを持つため、八重咲きのドクダミが茶花に用いられます。
夏椿(6月)
夏椿(ナツツバキ)の別名、シャラノキ(娑羅樹)の名は、仏教の聖樹フタバガキ科の娑羅双樹(さらそうじゅ)に擬せられ、この名がついたことが由来と言われています。